オランダと呼ぶのは日本人だけ?その理由と他の国名の事例について

知識の疑問

「オランダ」という国名は、日本人にとって非常に馴染み深いものですが、実はこの国を「オランダ」と呼んでいるのは日本だけです。世界的には「オランダ」は「Netherlands(ネザーランド)」として知られており、国際的な正式名称も「Kingdom of the Netherlands(オランダ王国)」です。では、なぜ日本では「オランダ」と呼ぶのでしょうか?そして、日本独自の国名の呼び方が他にも存在するのかについても掘り下げてみたいと思います。

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オランダの歴史的背景と「オランダ」という呼び方

まず、オランダと日本の関係の歴史を簡単に振り返ってみましょう。17世紀初頭、日本は鎖国政策を取っていましたが、例外的にオランダと中国にだけ貿易を許可していました。この時期、オランダは当時のヨーロッパにおける有力な海上国家であり、特に東インド会社(Vereenigde Oostindische Compagnie, VOC)が東アジアとの貿易に積極的に関与していました。1609年、オランダは徳川幕府との間で公式に貿易協定を結び、その後も長崎の出島で貿易活動を行い続けました。

この「オランダ」という国名の由来は、オランダの一部を構成する地域「Holland(ホラント)」から来ています。ホラントは、現在のオランダの中でも特に経済的・政治的に重要な地域でした。そのため、日本人にとって「ホラント」という名前がオランダ全体を指す言葉として使われるようになり、「オランダ」と呼ばれるようになったのです。

ヨーロッパの他の地域でも、かつては「Holland」としてオランダを呼んでいた国々もありましたが、現在では正式な国名「Netherlands」が主に使われています。それに対して、日本では歴史的な経緯から「オランダ」という名称が定着しているのです。

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オランダの正式名称と現在の呼称

「オランダ王国(Kingdom of the Netherlands)」という正式名称は、現在のオランダが単一の国家ではなく、4つの構成国(オランダ本土、アルバ、キュラソー、シント・マールテン)からなる王国であることを示しています。国際的には「Netherlands」が標準的に使われていますが、日本では「オランダ」の呼称が根強く残っています。

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他の国々ではどう呼んでいる?

他の国々ではオランダをどのように呼んでいるのかも興味深いところです。例えば、フランス語では「Pays-Bas(ペイ・バ)」、ドイツ語では「Niederlande(ニーダーラント)」、スペイン語では「Países Bajos(パイセス・バホス)」と呼ばれています。いずれも「低地の国」という意味を持ち、オランダの地形的特徴を反映しています。

日本の「オランダ」という呼び方は特異ですが、他の国々の呼称もそれぞれの言語や文化的背景に基づいており、単純に一つの名称に統一されるわけではありません。

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日本独自の国名の呼び方の例

「オランダ」以外にも、日本では特定の国名を独自に呼んでいる例がいくつかあります。以下はその代表的な例です。

  1. アメリカ(合衆国)

世界的に「United States(ユナイテッド・ステーツ)」や「USA」として知られるアメリカ合衆国ですが、日本では「アメリカ」と呼ばれています。これは、アメリカ大陸の名前「America」から来ていますが、本来「アメリカ大陸」は北アメリカ、中央アメリカ、南アメリカの3つの地域を指す広義の地理的名称です。しかし、日本では「アメリカ」が「United States」の略称として定着しており、国名そのものの一部ではなく、地理的名称が国名として使われるようになっています。

  1. ドイツ

ドイツの正式名称は「Deutschland(ドイチュラント)」ですが、日本では「ドイツ」と呼ばれています。この名称の由来は、古くからのオランダ語やドイツ語で「ドイツの国民」を意味する「Deutsch(ドイツ)」に遡ります。オランダとの貿易の影響もあり、この名称が日本に伝わり、「ドイツ」として定着しました。他の国々でも、例えば英語では「Germany」、フランス語では「Allemagne(アルマーニュ)」と呼ばれ、言語ごとに異なる呼び方がされています。

  1. イギリス

「United Kingdom(ユナイテッド・キングダム)」は、日本では「イギリス」として知られています。これは、イングランド(England)の古い呼び方「イベリクス(Ibericus)」に由来しています。イベリクスはラテン語で「ブリテン島の人々」を意味しており、日本に伝わった際に「イギリス」として表現されるようになりました。正確には「United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)」が正式名称ですが、日常的には「イギリス」で通用しています。

  1. スペイン

「Spain(スペイン)」の正式名称は「Reino de España(レイノ・デ・エスパーニャ)」で、スペイン王国を意味します。日本では「スペイン」と呼ばれていますが、この名前はスペイン語の「España(エスパーニャ)」からの転訛です。もともとこの国の名前はローマ帝国時代に遡り、「Hispania(ヒスパニア)」というラテン語の地名に由来します。それが徐々に変化し、日本に伝わった際に「スペイン」となりました。

  1. ポルトガル

「Portugal(ポルトガル)」は、日本でも同じように「ポルトガル」と呼ばれていますが、その語源も興味深いものです。ポルトガルという名前は、ラテン語の「Portus Cale(ポルトゥス・カレ)」という地名に由来しています。ポルトガルは16世紀に日本と接触し、キリスト教や鉄砲などをもたらした国としても知られています。このため、ポルトガルの国名は比較的日本語にそのまま定着した例と言えるでしょう。

他にもある日本独自の国名の呼び方

上記の国名のほかにも、日本独自の呼び方をされる国々があります。例えば、「フィリピン」は正式名称を「Republic of the Philippines(フィリピン共和国)」と言いますが、日本では単に「フィリピン」と略されることが一般的です。また、「タイ」は正式名称を「Kingdom of Thailand(タイ王国)」と言いますが、日本では「タイ」として知られています。これらの呼び方も、歴史的な交流や日本語への翻訳の過程で定着したものです。

mk

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